高齢者に瞬発力が求められる理由

瞬発力といえばアスリートのイメージがあると思います.

しかしながら,瞬発力はアスリートだけでなく全ての人に必要な要素なのです.

今回は,高齢者のリハビリにおいて瞬発力が求められる理由について書いていきたいと思います.

怪我の多くは一瞬で生じる

なぜ,高齢者のリハビリにも瞬発力が必要なのか?

それは,怪我の多くは一瞬で生じるからです.

例えば,ACL損傷(前十字靭帯)はジャンプの着地後50ms以内(0.05秒)の時間で発生しているという報告があり9),つまり,人が怪我をする時は一瞬で起きているということです.

例えば,何かにつまずいた時に手や反対の足などで身体を支えると思います.

その時の衝撃を受け止めるには最大筋力だけあれば良いという訳ではありません.

その一瞬の衝撃を受け止める事ができる瞬発力(RFD)が求められるのです.

RFDとは

RFD(rate of force development)とは「単位時間あたりの力の変化量」のことで,大きな力を素早く発揮する能力を指します.(RFD≠パワー)※RFDはN/s,パワーはW.

 RFDは,運動単位の発火頻度が非常に重要な因子であると報告されており1),これは,筋力出力時の運動単位の活動が筋力発揮から筋力上昇時の場面と最大筋力の場面で異なり,筋力上昇時の発火頻度は最大筋力発揮時の2倍以上であることが影響していると言われているようです2).

これは,全力でジャンプする離床時(最大筋力)よりも着床時の方が(筋力発揮から筋力上昇時の場面)多くの筋肉を使用しているという事です.

理由は,着床時の方が身体に対する衝撃が強いため,その衝撃から守るため(怪我をしないため)により多くの筋肉が動員するからです.

また,歩行時におけるバランス能力の低い高齢者はバランス能力の高い高齢者よりも下肢筋のRFDが低値であったことも報告されており3),さらに,加齢によるRFDの低下も報告されています4).

上記の理由から,RFDの向上は転倒予防や傷害予防に対して非常に重要な指標になると考えられます.

RFDを向上するためには

RFDを向上する為には,高強度での筋力トレーニング5,6,7)や高速度での筋力トレーニング8)によりRFDの改善を示している報告があります.

つまり,漸進性過負荷の原則(負荷を段階的に高める)やウエイトリフティング(爆発的筋力)系のエクササイズ(クリーン、スナッチ、ジャーク、ケトルベルスイング等)をリハビリプログラムに取り入れる必要があるのではないかと思います※リハビリや患者の身体能力により個人差有

まとめ

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27744584

⬆︎量の多いトレーニング(回数が多い)がRFDを低下させる報告がされている事から,リハビリ(回数多め)を行い最大筋力は改善されたとしても,RFDの改善は十分に得られていない可能性が考えられます.

したがって,今後の高齢者リハビリには最大筋力と共にRFDの改善にも注目する必要があると考えられます.

最大筋力が高められたとしても,日常生活における怪我は一瞬で起きてしまうからです(一瞬の怪我を防ぐ事ができるRFDの重要性).

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参考文献

  1. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26941023
  2. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3297731
  3. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18071745
  4. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24374734
  5. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12235031
  6. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17446407
  7. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9516202
  8. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9782179
  9. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17092928

http://kawamorinaoki.jp/442-「パワー」の定義は「大きな力を素早く発揮す/

http://kawamorinaoki.jp/post-175795464/

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-04-004.html

http://kawamorinaoki.jp/explosive-power-during-hypertrophy-phase/

http://kawamorinaoki.jp/post-175792991/

http://kawamorinaoki.jp/my-masters-research/

http://gsperformance.tokyo/blog/2016/06/04/1062/

https://athletebody.jp/2018/04/19/what-is-power/

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bhsu/14/0/14_113/_pdf/-char/en

https://link.springer.com/article/10.1007/s00421-016-3346-6

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