今回はデッドリフトの動作分析をしていきたいと思います.
目的は大臀筋の強化です.
理由は,腰痛や肩痛の傷害予防に繋がるからです.
大臀筋と腰痛や肩痛との関係性については,後日書きたいと思います.
デッドリフトのやり方
◯両足は腰幅,つま先は少し外側に向ける.両手は膝の外側からバーを握る.背中からお尻のラインは真っ直ぐにする(胸を張るイメージ)
◯立ち上がる時は肩から上がるようにする※重要
◯終始,背中からお尻のラインは真っ直ぐをキープする
◯しゃがむ時は,背中からお尻のラインを真っ直ぐのまま下降していく※上体の角度は立ち上がるときの角度を目標にする
◯しゃがむスピードは,3秒かけてゆっくり下降していく




起こりやすいエラー
※ここからはトレーナーや医療従事者向けの記事になります.
◯立ち上がるときに肩よりも先にお尻が上がる
・理由
肩よりも先にお尻が上がるのは膝関節伸展筋群を使って立ち上がろうとしているため.
ボトム時のパラレルの状態(バーベルから股関節までの外的モーメントアームが一番長い)から膝関節伸展で上昇させて,バーベルと股関節までの外的モーメントアームを短くしようとしている=股関節伸展筋群ではなく膝関節伸展筋群で上昇している=大臀筋(股関節伸展筋群)から逃げている
もっと酷くなってくると,骨盤の相対的な後傾位により,重心を前に移動させバーベルから膝関節までの外的モーメントアームを長くして(バーベルから股関節までのモーメントアームを短くする),それに対抗する膝関節伸展筋群を多く動員させようとする=膝関節屈曲トルクに対抗した膝関節伸展トルクの増大=膝関節伸展筋群の動員数増大(大臀筋の相対的な動員数減少)
又,骨盤の相対的な後傾は腰椎の屈曲を促し,椎間板ヘルニアの発症リスクを上昇させます.

◯しゃがむ時に上体を過度に前傾させて下降する
・理由
しゃがむ時に上体を過度に前傾させて下降するのは,大臀筋ではなくハムストリングスに負荷を逃がすため.
上体を過度に前傾させる事で,ハムストリングスの長さー全張力曲線の関係からハムストリングスの全張力が高まる.
つまり,ハムストリングスを多く動員させて負荷を受け止めている=ハムストリングスが大臀筋を補っている=相対的な大臀筋の動員数減少
上体を過度に前傾させた方が,バーベルと股関節までの外的モーメントアームの増大による股関節伸展トルクが増大するから大臀筋を多く動員するんじゃないの?と思われた方もいると思います.
なぜ,上体を過度に前傾させてはいけないのかというと漸進性過負荷の原則に当てはまらないからです.
つまり,段階的に重い重量を扱うことが出来ないからです.
理由は,バーベルと股関節までの外的モーメントアームが増大する事で,同じ100kgの負荷でも多くの筋肉を動員させないといけないからです(股関節屈曲トルクに対抗した股関節伸展トルクの増大によるもの)
つまり,多くの筋肉を動員させないといけない=重い重量を扱うのに不利なフォーム=漸進性過負荷の原則の不適合=大臀筋の成長が止まる
反対に,重い重量を扱える=漸進性過負荷の原則の適合=大臀筋の成長という事が言える.
だったら下降時の上体の角度は直立位が良いんじゃないのと思いますが,重い重量を扱いたいがために上体を直立位にするのは,ターゲットにしている大臀筋から外れて膝関節伸展筋群を使ってしゃがもうとするのでNGなのです.
あくまでも,下降時の上体の角度は上昇時の角度を目標にする.
これが大臀筋強化の為なのです.
その他に,これは感覚的な話になるのですが,上体を過度に前傾させると重心がつま先に移動し,膝を曲げて下降しようとします=膝関節伸展筋群の動員数増大=膝関節伸展筋群に負荷を逃している
まとめ
今回の動作分析の記事は,人の身体を扱う全ての人(トレーナー・医療従事者など)に共通するものだと思います.
ただ体幹を鍛えるため,背中を鍛えるためにデッドリフトを選択するのではなく,なぜこのフォームなのかをプロとして熟知すべきです.
デッドリフトなんて医療には関係ないだろではなく,人が動いているという事に変わりはないので,歩行動作の分析や立ち上がり動作の分析にも必ず役に立ちます.
デッドリフトは難しい種目です.
十分な筋力と柔軟性がなければ,まず行う事ができないでしょう.
運動指導者として,まずはデッドリフトの動作を把握した中でクライアントに提供する事が大切だと思います.
動画や画像でイマイチ分からない方,正しいフォームで行えているか不安な方は私に相談してください.⬇︎下記リンクからお悩みがある方お待ちしております.
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