今回は,私がクライアントに提供しているリバースランジ(以下RL)についての動作分析をしていきたいと思います.
RLとは
目的は大臀筋強化になります※狙いたい筋肉によってフォームも異なります
理由は,傷害予防のためです.
RLのやり方(上の動画参照)※右大臀筋強化の場合
①両足は腰幅,両手は真っ直ぐ前に伸ばす
②終始上体は少し前傾させる(右足のカカトに体重を乗せるため)
③左足をゆっくりと後方に下ろしていく※常時体重は右足カカトに乗せておく
④左足の置く位置は,下降時に左股関節の真下に左膝がある位置にする※重要
⑤左膝が床に着いたら上昇してくる※上昇時も右足カカトで床を押す

RLのよくあるエラー
※ここからは専門家向けになります
◯歩幅が狭い(踏み出し足の膝が同股関節の大転子より前方に位置する)
A.支持足及び踏み出し足の膝関節伸展筋群に負荷を逃がすため
踏み出し足の歩幅が狭くなる事で,下降時における支持足の膝関節屈曲が大きくなることから,身体重心から膝関節までのモーメントアーム増大による膝関節伸展トルクが増大する.
又,踏み出し足の床反力作用線から膝関節までのモーメントアームの増大による膝関節屈曲トルクが増大し,それに対抗する膝関節伸展トルクが増大する.
◯歩幅が広い(踏み出し足の膝が同股関節の大転子より後方に位置する)
A.踏み出し足の膝関節伸展筋群に負荷を逃がすため
踏み出し足の歩幅が広くなる事で,身体重心が後方に移動する事から,支持足でのBOS(支持基底面)外に外れる事により,支持足のカカトで床を押す事が出来ず,踏み出し足の膝関節伸展筋群で上昇する
◯上体を直立位にする
A.踏み出し足の膝関節伸展筋群に負荷を逃がすため
上体を直立位にする事で,下降時における身体重心が後方に移動する事から,支持足でのBOS外に外れる事により,支持足のカカトで床を押す事が出来ず,踏み出し足の膝関節伸展筋群で上昇する
◯上体を前傾しすぎる
A.支持足のハムストリングスと膝関節伸展筋群に負荷を逃している
上体を過度に前傾する事で股関節伸展トルクは増大するが,ハムストリングスの長さ-全張力曲線により,大臀筋ではなくハムストリングスが相対的に多く動員される=相対的な大臀筋の動員数減少
又,上記の理由(ハムストリングスの膝関節屈曲作用)から膝関節屈曲トルクに対抗した膝関節伸展トルクも増大する(相対的な膝関節伸展筋群の動員数増大)
又,漸進性過負荷の原則の不適用(身体重心から股関節までのモーメントアームが増大する事による段階的に重量を上げづらいフォーム=時間効率の低下)と大臀筋を大きな可動範囲で使えていない事による大臀筋の筋力発揮関節角度の低下が生じる(ボトム時における股関節の深い屈曲角度からトップポジション時までの完全伸展0°まで大きな可動範囲で使えていない=柔軟性の低下)
さらに,ボトム時のパラレルの状態(身体重心から股関節までの外的モーメントアームが一番長い)から膝関節伸展で上昇させて,バーベルと股関節までの外的モーメントアームを短くする=股関節伸展筋群ではなく膝関節伸展筋群で上昇している=大臀筋(股関節伸展筋群)から逃げている
※このエラーは上昇時に肩よりも先にお尻が上がる
◯上体を後傾しすぎる
A.踏み出し足の膝関節伸展筋群に負荷を逃がすため
上体を過度に後傾する事で,身体重心が後方に移動する事から,支持足でのBOS外に外れる事により,支持足のカカトで床を押す事が出来ず,踏み出し足の膝関節伸展筋群で上昇する
まとめ
RLはとても難しい種目です.
その分,クライアントの弱点を見抜く評価項目になります.
私自身も,初めてのクライアントにはRLを提供します.
RLを始める前にまずは,http://yoshinomasaaki.com/archives/854のようなヒップスラスト等で大臀筋を強化することからお勧めします.
最後までお読みいただきありがとうございます.
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