傷害予防のエクササイズ動作分析の記事にて,大臀筋の重要性について書かせていただきました.
今回は,大臀筋が腰痛に対してどのように関わっているのかについて書いていきたいと思います.
大臀筋とは



◯大臀筋(下臀神経L5〜S2)
起始:(上部)腸骨,仙骨,尾骨の後面(下部)腸骨外面および仙結節靭帯
停止:(上部)腸脛靭帯(下部)大腿骨臀筋粗面
作用:股関節伸展,外転,外旋(下部)内転
大臀筋と腰痛
大臀筋と腰痛には深い相関関係があります.
まず,人の安静時立位姿勢時における身体重心線は
・足関節の1.5〜5cm前方
・膝関節の前(膝蓋骨の後方)
・股関節のわずかに後ろ
・第4腰椎の1cm前
・耳垂
上記の箇所を通ります.
その中で,腰痛との深い関係にあるのが第4腰椎の1cm前を通るという部分です.

第4腰椎の前を通るということは,重力と床半力が椎体に対して屈曲位に作用しているということです.
その結果,腰椎の屈曲は髄核を後方に移動させ椎間板ヘルニア等の腰痛リスクを上昇させます.


なぜ,大臀筋と腰椎の屈曲(腰痛)が関係しているのかというと,大臀筋の起始停止の関係から筋力不足や柔軟性が低下することで骨盤の後傾を促します.
つまり,骨盤の後傾→腰椎の屈曲→髄核の後方変位→腰痛発症リスクの上昇(椎間板ヘルニアなど)という関係が成り立つということです.
反対に,大臀筋を強化することで骨盤の後傾を防ぎます.
つまり,骨盤の後傾を防ぐ→腰椎の屈曲を防ぐ→髄核の後方変位を防ぐ→腰痛発症リスクの低減ということです.
ここで,大臀筋の筋力不足ならば骨盤は前傾になるのではと思った方もいると思います.
大切なことは,大臀筋の遠心性収縮のことであり,遠心性収縮の筋力がないと日常生活を行う上で骨盤を後傾に促してしまいます.
例えば,歩行時における支持脚の踵接地期や階段の降段動作時における遊脚から支持脚に変わるつま先接地期といった日常動作において大臀筋の遠心性筋力がない事で骨盤の後傾を促してしまうのです.
それにより,大腿四頭筋(膝関節伸展筋群)過多の代償動作などが生じやすくなり,膝痛にも繋がりやすくなります.
人の身体というのは,筋肉が骨に伝達し動作が成り立っています.
つまり,筋肉が弱くなる事で今まで出来ていた動作が出来なくなる事があります.
言い換えると,筋肉が強くなることで出来なかった動作ができるようになる事があるという事です.
筋肉はあるに越した事がないのです!!
柔軟性も同じく,大臀筋の柔軟性が低下すれば,起始停止の関係から骨盤の後傾を促し,腰椎の屈曲を促します.
その結果,椎間板ヘルニア等の腰痛リスクを上昇させてしまいます.
柔軟性もあるに越した事がないのです!!
まとめ
・大臀筋を強化する事で腰痛のリスクを低減させる事ができる
・大臀筋の柔軟性が高まる事で腰痛のリスクを低減させる事ができる
・筋力や柔軟性が高まる事で出来るようになる動作がある
今回は,大臀筋と腰痛というテーマで書かせていただきましたが,腰痛の原因は無数にあります.
その中で,腰椎の屈曲パターンでの腰痛リスクのお話をさせていただきました.※腰椎の伸展パターンによる腰痛もあります
最後までお読みいただきありがとうございます.
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