前回の記事では,着時動作におけるACL損傷との関係性について書きました.
今回は,日常生活を送る上での膝痛(ACL損傷)の予防方法を書いていきたいと思います.
膝痛(ACL損傷)と大腿四頭筋の関係性
1.大腿四頭筋の発揮する力の大きさはACLの伸張と比例する
2.大腿骨に対して,脛骨の前方移動に対する全受動抵抗の85%をACLが担う
3.大腿骨に対して,脛骨の8mm以上の大きい前方移動はACLの断裂の可能性を示唆する
4.大腿四頭筋=ACLの拮抗筋
5.ACLは膝関節の中で最も頻繁に完全断裂する靭帯
6.膝関節完全伸展までの最後の50~60°屈曲位~完全伸展位での大腿四頭筋の収縮は,脛骨を前方に引きACLを最大限に伸張させる(ACL損傷のリスク上昇)

ACL損傷の可能性
1.膝関節を適度に屈曲,またはほぼ伸展した状態で,大腿四頭筋を激しく収縮する
2.膝関節の顕著な外反崩れ
3.膝関節の過度の外旋(脛骨に対しての大腿骨の内旋)
動作時におけるACL損傷
CKC時における膝関節の伸展(椅子から立ち上がる等)は,脛骨に対して大腿骨は後方に滑る(前方に転がる).そのときに,大腿四頭筋の大きな同時収縮は,大腿骨の後方滑りに対して脛骨を前方に引き寄せるため,ACLの損傷リスクが上昇する.
予防方法

上図から,ACL損傷の予防方法として,ハムストリングス(膝関節屈曲,股関節伸展作用)の強化がACLの負荷を軽減することが分かる.
この理由は,ハムストリングスの力線が脛骨の長軸に対して後方成分が含まれているからである.言い換えると,ハムストリングスの作用により,脛骨を後方に引き寄せることができる(ACLの弛緩)
まとめ
1.膝関節を最低20°よりも大きい屈曲位(膝関節関節完全伸展位だとACLが最大限に伸張してしまう)で大腿四頭筋とハムストリングスを同時に活動させる(椅子から立ち上がるスクワット等)
2.大腿四頭筋優位な姿勢や動作をしない(膝をつま先より大きく前に出す等)
3.ハムストリングスの強化=大腿骨に倒して脛骨を後方に引く=ACLの損傷リスクの軽減
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